2019年03月17日

「西日本新聞」(2019年3月17日)に「社会はタテマエ、実感乏しく−バイトテロと『世間』」が掲載されました。

 2019年3月17日「西日本新聞」に、バイトテロと「世間」について書いた「社会はタテマエ、実感乏しく」が掲載されました。
 以下でご覧になれます。
 https://www.nishinippon.co.jp/nnp/opinion_view/article/494916/
 内容は以下の通りです。

 社会はタテマエ、実感乏しく−バイトテロと「世間」

 若者の「バイトテロ」が止まらない。 1月〜2月にかけて「くら寿司」「セブン−イレブン」「大戸屋」などで不適切動画の投稿がつぎつぎと発覚。今回被害を受けた店の運営会社などは、アルバイト店員の刑事告訴や損害賠償請求など、法的措置を検討しているという。
 その代償はきわめて大きいのに、いったいなぜ頻発するのか? 若者の悪ふざけは昔からあったという意見がある。アルバイトの劣悪な労働条件への抗議だとみる人もいる。ネット社会に特有の現象だとする見方もある。どれも外れていないと思うが、私が気になるのは、最近の「インスタ映え」と同じく、仲間ウチでの「承認欲求」の肥大化である。
 もちろん、他人から認められたいという感情は誰でもあると思う。だが、それが今やとくに若者の間で強迫的なぐらいに広がっている。評価の基準は、「いいね」がどれだけ獲得できるか、どれだけ多くの人に注目されるか、どれだけ派手に受けるか、である。
 しかも奇妙なのは、ネットは世界に開かれているという意味で「社会」に他ならないのだが、これに向けて発信している自覚がまるでないことだ。仲間ウチのSNS、つまり自分の「世間」にしか関心がなく、そこで受けることしか考えていない。このため行動がどんどんエスカレートし過激になる。
 とはいえ、これは若者だけに特有の問題ではない。世間は千年以上の伝統があるが、そもそも社会は江戸時代にはなく、近代化=西欧化によって外部からつけ加わった舶来品にすぎない。明治以降日本人は、この世間と社会の二重構造を生きることになった。現在でも伝統的な世間に縛られ、世間がホンネであって、社会はタテマエにすぎない。
 タテマエにすぎないので、社会に生きているという実感が乏しい。実感がないために、興味が周りの狭い世間に限定される。世間のソトの人間にみられているという感覚がないので、それが社会からすれば明白に違法な行為であっても、世間のウチでの承認のほうが優先される。
 ようするに、世間での承認欲求が肥大化し、社会の存在が頭から完全に脱落してしまったのが、バイトテロの本質ではないかと思う。


posted by satonaoki at 20:18| NEWS

2019年03月07日

3月30日(土)東京で「世間学から読み解く-日本の『加害者家族』」という対談イベントを開催します。

2019年3月30日(土)14時−16時半に東京都文京区の「文京シビックセンター」で、日本で最初に設立された加害者家族支援団体WOH代表の阿部恭子さんと、「世間学から読み解く-日本の『加害者家族』」をテーマとして対談イベントを開催します。参加無料。事前申し込み不要です。関東周辺の方はぜひおいでください。
詳細は以下の通りです。

    ● 世間学から読み解く―日本の「加害者家族」

日本の加害者「家族」はなぜメディアで謝るのか。
家族連帯責任による犯罪抑止効果はあるか。
凶悪事件から微罪まで1500件の加害者家族を支援してきた阿部恭子氏が、日本の加害者家族が抱える問題について、「世間学」の専門家にインタビューを行う。

進行:阿部恭子(加害者家族支援団体NPO法人WorldOpenHeart代表)
ゲスト:佐藤直樹 教授 (九州工業大学名誉教授・世間学)

日時:2019年3月30日(土)14:00〜16:30
会場:文京シビックセンター5階会議室C(東京都文京区春日1−16−21)
参加費:無料 
申し込み:不要 
主催:NPO法人WorldOpenHeart
問い合わせ:090−5831−0810
本企画はトヨタ財団国際助成プログラムによって実施されます。

posted by satonaoki at 19:12| NEWS

2019年02月07日

麻生副総理の失言が止まらない問題について「西日本新聞」(2019年2月7日)にコメントが掲載されました。

 「西日本新聞」(2019年2月7日)に、麻生副総理の失言問題について私のコメントが掲載されました。
 思うに、麻生さんの失言はすべて自分の「世間」(身内)に向けられたもので、麻生さんの頭には「社会」が存在しない。以前から辞職に値する発言も何度もしているのに、失言が許容されるのは、日本のなかで世間が肥大化し、社会が後退しているためではないかと思います。その結果、「子どもを産まなかったほうが問題」という考えが同調圧力となって、世間の息苦しさを増していくことになる。
 内容は、期間限定ですが以下で読めます。
https://www.nishinippon.co.jp/nnp/politics/article/485018/
posted by satonaoki at 08:51| NEWS