2018年06月18日

「北海道新聞」(2018年6月17日)に、吉川徹『日本の分断』(光文社新書)の書評を書きました。

 吉川徹『日本の分断』(光文社新書)の書評を、「北海道新聞」(2018年6月17日)に書きました。いまや日本では、大卒/非大卒という学歴による分断線がはっきりと姿をあらわしている、という内容の本です。にもかかわらず、学歴格差をあからさまに語ることは、日本ではタブー視されてきたそうです。
 書評は期間限定で、以下でご覧になれます。
 https://www.hokkaido-np.co.jp/article/200441?rct=s_books

 内容は、以下の通りです。

  学歴による格差 解析であらわ
  評 佐藤直樹(九州工業大名誉教授)

 日本が極端な学歴社会であることは、みんな薄々(うすうす)感づいてはいた。ところが学歴による分断を口にすることは、これまでタブー視されてきたらしい。
 本書は、最新の社会調査にもとづき、現役世代を「若年(20〜30代)/壮年(40〜50代)」「大卒/非大卒」「男性/女性」によって八つのグループに分け、年収、職業、結婚、居住地、社会意識などについて詳細に解析。その結果いまや日本では、大卒/非大卒という学歴差によるロコツな分断線が姿をあらわし、団塊の世代の退出後は、この分断がさらに深まるという。
 この8グループのうち、圧倒的な勝ち組は壮年大卒男性。逆に最も不利な生活を強いられているのが、「拍子抜けするほどおとなしく、活気と意欲に乏しい」若年非大卒男性。本書は、現役世代の11.2%を占める彼らを「レッグス」(軽学歴の男たち)と命名。これまで日本のモノ造りや社会インフラを根底で支えてきたのに、今後社会経済的地位のさらなる不安定化に直面する彼らに、新たな政策的支援が必要だという。
 思うに、学歴分断を語ることがタブー視されてきたのは、社会の側に能力や才能の差を認めない「人間平等主義」の意識があるためである。能力差をひけらかすことは「上から目線」だとして嫌われ、学歴などの身分差はつねに隠蔽(いんぺい)される。
 いま結婚は、ほぼ7割が同じ層同士の「学歴同類婚」だそうだ。大卒は大卒としか付き合わないから、非大卒の人々の生活には想像が及ばない。現役世代の約半分が非大卒であるにもかかわらず、学歴分断線の両側でお互いの顔がよく見えないのだ。
 どうすればよいのか?
 本書が読者に勧めているのは、レッグスに思いをはせ、街に出て日本社会をあらためて見渡すことである。すると、たしかに道で何げなくすれ違う人々が、なぜかべつな風景に見えてくる。B・ブレヒトの<異化作用>といったところか。これは私にとって、ちょっと希有(けう)な体験であった。オススメの一冊である。(光文社新書 929円)

posted by satonaoki at 12:09| NEWS

2018年05月13日

「北海道新聞」(2017年7月1日)に書いた「『忖度』と世間」が、2018年度札幌大谷大学の入試問題に採用されました。

2018年度札幌大谷大学の国語入試問題に、「北海道新聞」(2017年7月1日)の「『忖度』と世間」が採用されました。ちなみに「問6」は、「傍線部D『日本独特の「空気読め」という同調圧力』とあるが、あなたが考える『「空気読め」という同調圧力』の具体例をあげながら、それに対するあなたの意見を記しなさい」というものでした。IMG_20180513_0002.pdfIMG_20180513_0002.pdfIMG_20180513_0002.pdfIMG_20180513_0002.pdf
posted by satonaoki at 08:38| NEWS

2018年03月25日

2018年4月25日に福岡市立早良市民センターで講演します。

 2018年4月25日(水)10時−12時に福岡市立早良市民センターで講演します。テーマは「目くじら社会ニッポンの正体−犯罪率が低くて自殺率が高い理由−」です。質疑応答の時間もとりたいと思っています。
 参加費無料ですが、100人限定で事前の申し込みが必要です。申し込みは以下の電話かメールでお願いします。
 ●福岡市早良区役所 生涯学習推進課 092−833−4401 gakushu.SWO@city.fukuoka.lg.jp


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