2019年02月07日

麻生副総理の失言が止まらない問題について「西日本新聞」(2019年2月7日)にコメントが掲載されました。

 「西日本新聞」(2019年2月7日)に、麻生副総理の失言問題について私のコメントが掲載されました。
 思うに、麻生さんの失言はすべて自分の「世間」(身内)に向けられたもので、麻生さんの頭には「社会」が存在しない。以前から辞職に値する発言も何度もしているのに、失言が許容されるのは、日本のなかで世間が肥大化し、社会が後退しているためではないかと思います。その結果、「子どもを産まなかったほうが問題」という考えが同調圧力となって、世間の息苦しさを増していくことになる。
 内容は、期間限定ですが以下で読めます。
https://www.nishinippon.co.jp/nnp/politics/article/485018/
posted by satonaoki at 08:51| NEWS

2019年02月02日

「文藝家協会ニュース」(2019年1月号)に、「世間を語ることの難しさ」が掲載されました。

 私も会員になっている日本文藝家協会が発行する「文藝家協会ニュース」(No.788 2019年1月号)に、「世間を語ることの難しさ」というエッセイが掲載されました。
内容は以下の通りです。

世間を語ることの難しさ
佐藤 直樹
「日本世間学会」というプロジェクトを99年に立ち上げて以来、ここ20年ぐらい「世間」について考えている。世間は英語に翻訳できない。世間は日本にしかない。そう主張すると決まって出てくるのが、「世間はどこの国にもあるのでは?」という批判である。
 17年9月に当会の「文芸トークサロン」で、「 "忖度" はなぜ英語にできないのか」というテーマで話す機会を得た。「忖度」が流行語大賞になった年だ。興味深いのは、森友学園の籠池泰典前理事長が、外国人特派員協会の会見でこの言葉を使ったさいに、通訳が「推測する surmise」「行間を読む reading between the lines」など苦労して訳そうとするのだが、結局「直接言い換える言葉はありません」とサジを投げたことだ。
 忖度は「他人の気持ちを推察する」ということで、世界中どこにでもあると考える人が多いと思う。だが私にいわせれば、これは、「空気を読み、あらかじめ上の意向を察して行動する」という特殊な意味をもつ、日本独特の「世間のルール」の一つである。英語圏には世間がないため、忖度は存在しない。英訳できないのはそのためなのだ。
 そう説明しても、なかなか納得してもらえない。先日の世間学会でも私の報告に対して、「世間は英語圏にもある。例えば、What a small world !(世間は狭い)のworld が世間である」との批判があった。たしかに、英語の辞書を見るとそう書いてある。
 最近、韓国語の通訳者から面白い話を聞いた。日本で世間は「世間さま」といい、一つの人格のように考えられているが、これにあたる韓国語がないため訳せない、と。なるほどね。私は韓国にも世間はないと思っているが、英語のworld にも人格的な意味はない。「世界さま」という言い方はありえないからだ。つまり worldと世間はかなり違う。
 たぶん、それでもなかなか理解してもらえない。世間は私たちの頭の中に無意識に刷り込まれた共同幻想なので、これを論じることの難しさをひしひしと感じている。
(現代評論家・九州工業大学名誉教授)





posted by satonaoki at 17:03| NEWS

2019年01月31日

電車でのリュック「前持ち」について、「朝日新聞」(2019年1月30日)にコメントが掲載されました。

 「朝日新聞」(2019年1月30日)の、背中にリュックを背負うことが電車内で「迷惑行為」とされ、鉄道各社がリュックの「前持ち」を呼びかけていることについての記事で、コメントが掲載されました。
https://www.asahi.com/articles/DA3S13870593.html?ref=nmail_20190130mo
内容は以下の通りです。

      (ニュースQ3)電車内、背中のリュックが泣いている

全国の私鉄73社が加盟する日本民営鉄道協会が毎年調査している「駅と電車内の迷惑行為ランキング」で2018年度、「荷物の持ち方・置き方」が初めてトップになった。昨年12月に同協会が発表した。中でもやり玉に挙がったのがリュックサックだ。

 ■荷物が「迷惑」1位

 昨年度まで9年連続でトップだったのはログイン前の続き「騒々しい会話・はしゃぎまわり(36・9%)」。だが、「荷物の持ち方・置き方」が10年度(13・3%)から伸び続け、今年度初めて逆転しトップに。過去最高の37・3%を占めた。

 内訳では「背中や肩のリュックサック・ショルダーバッグ等」が66・2%と大半を占めた。広報担当者は「リュックは体積が大きい上に、背負っていると気づかない間に人にぶつかりやすく、特に迷惑に感じる人が多いようだ。乗客どうしのトラブルの引き金になり、遅延にもつながる」と話す。鉄道各社は、リュックは前に抱えたり網棚に上げたりするよう、ポスターや車内放送などで呼びかけている。

 ただ、こうした呼びかけに違和感を覚えた人も。日本社会を「世間」という切り口で研究する佐藤直樹・九州工業大名誉教授は「リュックの前持ちは、海外の防犯対策というイメージだった。鉄道会社が大々的な呼びかけまでするのはクレームを防ぐためなのだろうが、行きすぎるとやっていない人への非難の目も強まり、息苦しくなる。マナーとして個人がやればいいことなのでは」という。

 なぜ、リュックにまつわるトラブルが増えてきたのか。

 ■通勤での使用増加

 雑誌「Begin」(世界文化社)の光木拓也編集長(41)は「15年ほど前まで学生のものかアウトドアで使うものというイメージだったが、『スーツにリュック』はもはや定番になった」と話す。ビジネスシーンで普及し始めたのは2000年代初頭からで、背負うこともできるブリーフケースの登場や「クールビズ」の影響や健康志向の高まりにより、仕事場のドレスコードが緩和されたことが影響したとみる。

 かばんメーカー「エース」(東京都)でもここ数年、ビジネス用リュックの売れ行きが急増。昨年の販売個数は2010年の約9倍となった。

 広報担当者は、東日本大震災をきっかけに身軽に通勤したいという人が増えたことや、スマートフォンの大型化で両手を空けておきたいという需要の高まりも背景にある、とみる。荷物の持ち方のマナーへの注目が高まっていることを受け、昨年、電車内で邪魔にならないリュックを発売した。売れ行きは好調だという。

 ■直接言わない傾向

 主に日本のニュースを英語で配信しているウェブサイト「SORA NEWS24」でもこの民鉄協会のランキングを記事にした。

 編集者でアメリカ人のケーシー・バシールさん(40)は、「こうした調査は企業側が顧客満足度を上げるためにしているのだろうが、マナー違反者との直接対決を好まない日本人の乗客が、どのような点に不満を感じているのかを知らせる面もあるのでは」と指摘。「日本人が、それほど重要に見えない細かいエチケットに気を使っていることに驚くことも多いが、そのおかげで非常に快適で安全な環境が作られている。日本の最大の長所の一つだと思う」(丸山ひかり、遠藤雄司)



posted by satonaoki at 11:52| NEWS